2.具体的導入事例

2.2 組織改革・・・どこから手を着けたらよいのかわからない


 大手通信キャリアのB社の事例です。B社は全社をあげての組織改革に取り組んでいました。「組織としての活力を取り戻したい」との意向を受けたのと、緊急のクライシス状況も見られなかったことから、手始めにS-SASSのモチベーション診断と体調診断を受けてもらいました。

 図は、ある部署のメンバー12名のモチベーション状態を示しています。図の縦軸(満足度)は仕事上の達成感や周囲から認められることなどの動機付け要因、横軸(不満足度)は給与や労働条件などの環境要因を意味し、青い点はメンバー一人ひとりを示します。下図から、12名のメンバーのうち点線で囲んだ9名を中心に、右上にリーダーが、左側と下側にそれぞれ1名ずつのメンバーが分布しているのが見て取れます。まず、リーダーと他のメンバーの関係に注目してください。モチベーション状況から見ると、このリーダーは他のメンバーの誰よりもモチベーションが高くなっています。これは一見好ましいように見えます。困難な業務であるほど、部署を引っ張っていくには意欲あふれるリーダーが必要だからです。しかし、こんな見方もできないでしょうか。リーダーだけが「行け行けムード」で他のメンバーたちがついて来られない・・・・実際、現場ではリーダーとメンバーたちの意識ギャップがたびたびささやかれていたそうです。

 ザ・ネットはこれらのデータをもとにB社にコンサルティングを行いました。現在、状況は改善に向かっています。(最終的には、この部署を含む、組織全体の人事異動が行なわれました。また、モチベーションが低かったメンバーは中程度の心的疲労状態にあることがわかり専門医の診察を受けることになりました。)

モチベーション結果事例

モチベーション結果事例



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